商品説明の書き方にはコツがある
ネットショップで最もアタマを悩ませる作業。それが商品説明です。
「なにを書けばいいんだ」「どう書いたら売れるようになるんだ」というネットショップオーナーさん・担当者さんの嘆きが今日もあちこちで上がっています。
結局カタログの丸写しになってしまったり、商品の魅力が伝わりきらない説明文を書いているそこのあなた。気持ちはよくわかります。
今回はそんなあなたのために私の商品説明文の考え方を書いてみます。
6W2Hでつくる商品説明の設計図
文章を書く際の基本として、中学生の頃に『5W1H』というのを授業で習ったと思います。
- What 何を
- When いつ
- Where どこで
- Who 誰が
- Why なぜ
- How どのように
各頭文字を見てみると「Wで始まる単語が5つ、Hで始まる単語が1つ」で『5W1H』というわけです。
ネットショップの商品説明文では、さらに次の2つを加えた『6W2H』を用います。
- Whom 誰に
- How much いくらで
さて、この6W2H。実際にどのように使うのかまで併せて説明しないと分かりにくいと思いますので、こんな架空の商品を用意してみました。
抜け落ちにくいイヤフォン
What 何を | 耳の穴から抜け落ちにくい構造のイヤフォンを |
---|---|
When いつ | 2011年6月に発売 |
Where どこで | ネットショップ限定で |
Who 誰が | イヤフォンメーカーが製造、当社が販売 |
Why なぜ | 運動しながら音楽を聴く人が増えているが、運動中に使うとイヤフォンが抜け落ちやすいという発見があった |
Whom 誰に | 運動中に音楽を聴きたい人・イヤフォンが抜け落ちやすい人 |
How どのように | スポーツ選手とタイアップして激しい運動での耐久性をアピール など |
How much いくらで | 3,000円 |
これを実際に活用して商品説明文を書くと下記のようになります。
「抜け落ちにくいイヤフォン NKOT-01」 全力で走っても抜け落ちにくいイヤフォン 新発売のNKOT-01は、運動と音楽が大好きなあなたのために開発されたイヤフォンです。
運動中に音楽を楽しみたい。リズムをとりながら楽しくトレーニングしたい。
しかし、従来のイヤフォンでは激しい運動をすると耳の穴から抜け落ちてしまうことがよくありました。
ランニング中に耳から抜けそうになったイヤフォンを何度も指で押さえて集中が途切れてしまったりリズムが乱れてしまうことはなかったでしょうか。
NKOT-01はそんな悩みを解消するために、激しい運動時での使用を想定して設計された抜け落ちにくいイヤフォンです。
屋外で使用しても外部の音を聞き取りやすいオープンタイプ。
自動車の接近や踏切の音にも気付きやすく安全に配慮した設計になっています。
さらに、汗や雨による水分の浸入を防ぐ生活防水。
あらゆる機能が激しい運動中でも快適に音楽を楽しめるよう設計されているんです。
高音質のイヤフォンを多数製造しているメーカー製だから音質もばっちり。
お値段3,000円で、当ネットショップだけの限定販売商品です。
写真で見えない部分を書いてこそ説明文だ
ネットショップであれば商品説明文と一緒に商品の写真も掲載されている場合が殆どです。
ところが、そこに書かれている説明文は写真を見れば一目でわかるようなことばかり……というのも、よくあります。
写真でわかるようなことは写真を見ればいいのであって、わざわざ説明文で長々と語る必要はありません。
(強調してアピールしたいのであればその限りではありませんが)
たとえば前述の架空商品「抜け落ちにくいイヤフォン」であれば、外部の音を聞き取りやすい設計になっていることや、生活防水で汗や雨が侵入しにくいことなどは写真で見ただけでは判断できません。
他にも商品の大きさや、衣服であれば着心地や通気性、食品であれば味わいといった、写真からは伝わってこない情報を盛り込んでこそ説明文としての価値があるのです。
スペックだけでなくリアルな使用感を書く
激しい運動で耳の穴からイヤフォンが抜けるといった記述だけでなく、ランニング中に落ちそうになったイヤフォンを指で押さえるといった記述をしました。
こういった使用中の風景を思い起こすような表現をすると、読んでいる人が具体的にイメージしやすくなります。
先ほど例で書いた商品説明文には、他にも「自動車の接近や踏切の音に気付きやすい」「汗や雨による水分の浸入を防ぐ」といった具体例でリアルな使用感を盛り込んでいます。
これを単に「オープンタイプのイヤフォンです」「生活防水です」とだけ書いてあってもいまいちピンとこないでしょう。
リアルな使用感を書くときのコツは「○○だから○○だ」で書くことです。
「○○の機能があるから○○のときに役立つ」「○○の機能があるから○○倍長持ち」「○○だから通気性快適」といった具合に書いてみてください。
カタログだけで書くのは限界がある
良い商品説明文を書くためには、やはりその商品を実際に手にとって使ってみたり、味わってみることが重要です。
メーカーのカタログだけでは写真と型番だけしか書いていないことも多いため、書こうにもリアルな使用感が分かりません。
もし可能であればメーカーからサンプル品を貸してもらったり提供してもらってください。
意外とそういったサンプル用の実機や試供品・試食品を用意しているメーカーは多く、連絡すれば貸し出し・提供をしてくれるということは結構あります。
商品説明文の書き方に悩んだときは、その商品を目の前に置いてじっくり向き合ってみましょう。