WordPressの開発環境をVagrantでローカルに作ろう
WordPressのテンプレートを作成する際、色々な方法があるとは思いますが、最近かなりメジャーになってきたのがVagrantなどを使った仮想サーバー環境上で動作確認しながら作成していく方法かと思います。
WILDWEST-SERVICEでも既にVagrantを使っていますが、このたびVVV(Varying-Vagrant-Vagrants)を使用してさらに効率化を図れましたので、手順を書き残しておこうと思います。
今回の記事は最低でも黒い画面の使い方が分かる人を対象に書いています。
VVV(Varying-Vagrant-Vagrants)とは
VVVはオープンソースとして開発されているVagrantのBox(仮想マシンをすばやくクローンするためのベースイメージ)のひとつで、コマンドを実行するとWordPressの動作環境を仮想環境上に作成してくれます。
VVVを使う理由は何故?
VVVの他にもWordPressを動作させることができるVagrantのBoxはいくつかあります。
どちらかというと、VVVよりもVCCW(Vagrant Chef Centos Wordress)のほうが人気が高い印象を受けたのですが、VVVではOSイメージに操作に慣れているUbuntuが採用されているので。
WebサーバにApacheではなくNGINXを使っている部分だけは、まだ不慣れなので少し気になったのですが、大きな問題ではないと判断しました。
VVVによるWordPress開発環境(日本語版)の作り方
それでは、ざっと手順を紹介したいと思います。
VirtualBoxのインストール
まず大前提としてVagrantが使える状態になっていないといけません。
で、そのVagrantを使うためにVirtualBoxが必要……ということで、最初はVirtualBoxのインストールからです。
Download VirtualBoxのVirtualBox binariesから、お使いのOSに応じたVirtualBoxインストーラをダウンロードしてインストールしてください。
Vagrantのインストール
VirtualBoxのインストールが完了したら、DOWNLOAD VAGRANTから、同様にお使いのOSに応じたVagrantインストーラをダウンロードしてインストールしてください。
Vagrantのインストールが完了したら、システムを再起動してください。
Vagrantプラグインのインストール
ここからはコマンドプロンプト(Windows)もしくはターミナル(Mac)などコマンドラインを使って操作していきます。
Windowsの場合、アイコンを右クリックして「管理者として実行」から起動してください。
起動できたら、次のコマンドを入力します。
vagrant plugin install vagrant-hostsupdater
コピペがおすすめですが、手入力する場合、「hostsupdater」の部分に注意してください。「hostupdater」と打ってしまうことがよくあるので。
もうひとつ、次のコマンドを入力してvagrant-triggersプラグインも入れておいてください。
vagrant plugin install vagrant-triggers
VVVの展開
ここまでが下準備。いよいよVVVを仮想環境で実行してWordPressをインストールします。
GitHub上のVarying-Vagrant-Vagrants/VVVのページからDownload ZIPボタンをクリックしてダウンロードし、展開します。
もちろん、gitが使える人はcloneできます。その際のコマンドは次の通り。
git clone git://github.com/10up/varying-vagrant-vagrants.git
最後にVagrantfileが入っているディレクトリまでcdコマンドで移動し、次のコマンドを入力してください。
vagrant up
初回の起動時にはかなり時間がかかりますが、これだけでWordPressをローカル環境で動かせるようになります。
うまく動かない時のトラブルシューティング
Windows7(64bit)でインストールする際に、vagrant upが何度かうまくいかずやり直したので、引っ掛かった部分を紹介しておきます。
ここで紹介しているエラーの表示は、コマンド履歴の中で「==> default:」と続いている部分の次の行に表示されていると思います。
Permission denied
Permission deniedという表示が含まれるエラーで中断してしまう場合は、コマンドプロンプトの起動時に右クリックして「管理者として実行」をしていない場合に発生します。
管理者として実行すれば解消されました。
valid byte sequense in UTF-8
valid byte sequense in UTF-8という表示が含まれるエラーで中断してしまう場合は、コマンドプロンプトの文字コード設定がShift-JIS以外の設定になっています。
コマンドプロンプトであれば、次のコマンドで現在の文字コードを確認できます。
chcp
文字コードが932以外の設定になっている場合、次のコマンドでShift-JISに設定できます。
chcp 932
参考:Chcp
VVVで展開したWordPressにアクセスしてみよう
問題なく起動できていれば、 local.wordpress.dev にブラウザでアクセスしてWordPressが起動できているはずです。
管理画面にログインするには、 local.wordpress.dev/wp-login.php から、ユーザー名が「admin」、パスワードが「password」です。
なお、VVVでインストールされるWordPressは英語版です。
テンプレート作成に関しては英語版のままでもできるのですが、管理画面を操作しにくい人も多いと思いますので、日本語化の手順も記述しておきます。
VVVでインストールしたWordPressの日本語化
まずは次のコマンドを入力して仮想環境にログインしてください。
vagrant ssh
仮想環境に入ったら、次のコマンドを1行ずつ実行してください。
cd /srv/www/wordpress-default/
/srv/www/wordpress-default$ wp core download --locale=ja --force
これで日本語版WordPressがインストールされ、日本語化完了です。