引用の書き方と著作権 Webサイトの画面キャプチャなどの著作物を正しく引用する方法とは?

2015年 09月 02日

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引用の書き方と著作権 Webサイトの画面キャプチャなどの著作物を正しく引用する方法とは?

    引用はどこまで認められるのか

    たとえばコリスのように、他のwebサイトのキャプチャを掲載しているサイトがあるじゃないですか。

    あれって正確には著作権法上でどこまで認められるのかな?と少し不思議に思ったので調べてみました。

    著作権法 第三十二条を読んでみよう

    「引用」については、「著作権法 第二章 第三節 第五款 著作権の制限」の中の第三十二条で言及されています。

    1. 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
    2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
    著作権法 第三十二条

    つまり、世間一般に公表されている著作物は全て引用して利用することができるわけです。

    ただし、そのためには「報道・批評・研究のためなど、引用するための正当な理由がなければなりません。

    たとえば、自分のwebサイトにダンジョン飯 1巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))というマンガの批評(レビュー)を書くにあたって、その中の絵やセリフを引用して紹介することは合法です。
    しかし、たとえばそのために1話分まるごと転載したりするのは正当な範囲の引用とは認められません。

    このあたりの制限や範囲は明確に法律で定められているものではありませんが、さすがに1話分まるごと転載しなくても本のレビューは書けますよね。

    曖昧なところは判例に基準を求める

    著作権法 第三十二条に限った話でなく、法律というのはあえて明確に境界線をひかず曖昧にしている部分があります。

    たとえばマンガ1話分まるごと転載しなくても批評はできると思いますが、俳句や短歌などの短いものは1本まるごと転載しなければ批評できませんよね。
    かといって、何文字以下など分量で明確に条文を表現することは困難であり、根拠に乏しくなります。

    こういった部分の判断基準は、実際に裁判になった場合にその判例に根拠を求める場合が多くなります。

    その中でも引用できる範囲の基準としてよく用いられているのは、「パロディ事件第一次上告審(昭和55年3月28日 判時967号45頁・民集 第34巻3号244頁)」や、「脱ゴーマニズム宣言事件第一審(平成11年8月31日 判事1702号 145頁)」での判例です。

    引用の書き方と基準

    さきほど紹介した判例により、次のように基準が定められており、後に続く他事件の判例でも根拠として用いられています。

    明瞭区別性

    引用して利用する側の著作物と,引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができることが必要です。

    つまり、「この部分は引用してきた部分ですよ」ということがハッキリ分かるように表現されていなければいけないということです。

    附従性

    引用される側が主、引用する側が従となる関係が認められることが必要です。

    つまり、引用する側の内容に何の脈絡も無いのに引用してくることは認められないというわけです。

    引用の書き方で注意が必要なポイント

    著作権法の第三十二条だけでは触れられていませんが、引用する際に気をつけておかなければ他の条文に抵触してしまうポイントを紹介しておきます。

    引用と著作者人格権

    著作者人格権は「著作権法 第二章 第三節 第二款 著作者人格権」で定められており、第二十条で「同一性保持権」というものが定められています。

    たとえば、引用時に次のようなことをしてしまうと、同一性保持権を侵害することになります。

    • 引用元の誤字や脱字を修正して掲載する
    • 引用元の画像や文章において、画像内にモザイクや黒塗りを重ねるなどの改変を加える
    • 引用元の文章において、人名や社名などを伏字にするなどの改変を加える

    ただし、「著作権法 第四十三条 第一項 第二号」により、引用時に翻訳することは認められています。

    出所の明示

    「著作権法 第四十八条」により、引用元の出所と著作者名を表示しなくてはいけません。

    出所については、引用元のURLやタイトルなどを表示しておきます。(リンクで表現してもOKです)

    引用元の著作者名の表示については、引用した画像の中に既にクレジットが含まれている場合や、引用元に著作者の名前が明記されていない場合には不要です。

    デザインや内容について言及していればOKか

    著作者や出所をしっかり書いておき、その内容について言及したり批評しているのであれば、Webサイトのキャプチャ画像などを引用することは可能なようです。

    そうすると、コリスの記事では著作権法的に合法だと言えるのではないでしょうか。
    何かを紹介・説明・批評するために必要な範囲でキャプチャ画像を撮影し、正しい範囲で引用されているように思います。

    対して、某見出しのデザインのまとめサイトはちょっと怪しいかもしれないなーという印象。
    出所は表示されているのですが、特に引用元に対して何か言及しているわけでもなく、かといって全く脈絡がないかと言えばそうでもないカンジです。

    けっこう調べるのが大変でしたが、今後の仕事に非常に役立つ知識を得られて満足です!

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