Facebookやtwitterを使わないソーシャル・マーケティング

twitterやFacebook使って何やるんですか?

twitterやFacebook使って何やるんですか?

近頃は「やっぱりtwitterとかFacebookってやっといたほうがえぇんかなぁ?」というご相談をいただくようになりました。

twitterやFacebookといったものがどういうサービスなのか理解するために登録して使ってみる、というのは必要だと思います。

ですが、必ずしも登録したアカウントで何かをやることだけが『ソーシャル・マーケティング』ではありません。

ソーシャル・マーケティングの定義

「ソーシャル・マーケティング」という言葉は、そもそも「近代マーケティングの父」、「マーケティングの神様」と呼ばれるあのフィリップ・コトラーが提唱したマーケティングの考え方のひとつです。

Facebookやtwitterといった SNSが爆発的に普及したことでよく耳にするようになりましたが、今から40年くらい前にはとっくにあった言葉で、そこから様々な意味に派生して多くの手法が生まれています。

ソーシャルというのは人々の社会的な繋がりのことで、そこで自然発生する情報伝達や、見知った者同士による信頼性の高い評価を利用してマーケティングを行うものを「ソーシャル・マーケティング」と呼びます。

バズマーケティングやバイラルマーケティングとの違い

検索した限りでは特に言及されているページを見つけられませんでしたが、私は似て非なる言葉だと思っています。

ソーシャルマーケティングは社会倫理性や社会貢献を重視した健全な手法を使用し、情報操作・印象操作・不自然な評価といった手法を嫌います。

対してバズマーケティングやバイラルマーケティングは、製品やサービスの良い評判を広げるために、情報操作や著名人からの評価の買収といったステルスマーケティング手法やバズチューニング手法を含む場合があります。

人々の繋がりを利用して情報や評価を伝達していく点は同じですが、どちらかと言えばソーシャル・マーケティング(消費者主導)とは逆の『マネジリアル・マーケティング』(企業主導)という考え方に基づく手法に近いように思えます。

Facebookやtwitterへ登録しなくてもできる

Facebookやtwitterへの登録は必要?

「ソーシャル・マーケティング」と「ソーシャルメディア・マーケティング」も混同されがちですが、実は少し違います。

「ソーシャルメディア・マーケティング」
Facebookやtwitterなどのソーシャルメディアを使用する手法
「ソーシャル・マーケティング」
ソーシャルメディアを含む人々の繋がりすべてに対して働きかける考え方

つまり、「ソーシャル・マーケティング」という考え方に基づいた手法のうちの1つが「ソーシャル・メディア・マーケティング」というわけです。

ということは、人々の社交性や社会活動に働きかけることさえできれば、Facebookやtwitterを使用する以外の手法もあるということです。

ソーシャルメディアを使用しないソーシャル・マーケティングの手法

人々の話題にのぼるようなニュースのリリース

人々の話題にのぼるような一風かわったニュースをリリースすることで、商品やサービスが広く認知されます。

たとえばこんなカンジ

  • 今あるテレビが3D対応に!3D映像コンバーターを発売
  • ついにSFが現実に!電脳移植手術法が確立 認可法案提出へ
  • 1週間限定!AKBメンバーがレジに立つバーガーショップ

思わず誰かに言いたくなるようなコンテンツの提供

「かわいい!」「すごい!」「面白い!」など、思わず誰かに教えたくなるコンテンツを用意すると人々の話題にのぼります。

たとえばこんなカンジ

  • ドッグカフェで1日1回、芸を披露するショータイムを生中継
  • 調理師が飾り切りの作品と製作工程を掲載していくブログ
  • 自社製品やサービスをアピールできるようなゲームを製作

誠実なサービスによる感動の提供

「思わず誰かに言いたくなる」体験を提供し、ファンを獲得するということです。
ポイントはお客さまの期待値を上回るサービスを提供することです。

たとえばこんなカンジ

  • お客さまが引っくり返したドリンクを無料で作り直す
  • 普通の居酒屋の値段で、一流ホテルのような質の高い接客と空間の提供
  • リピート来店時にお客さまの名前を呼ぶなど、以前の来店を覚えていることをアピールする

店とお客さまではなく、スタッフとお客さまとの間での個人同士の繋がりの構築

企業の経営者や従業員といえど、やはり1人の個人でもあるわけです。各人がもつ個人同士の繋がりも立派なソーシャル・ネットワークです。

たとえばこんなカンジ

  • 次回来店時にお客さまが従業員を指名して来店してくれるよう、従業員の名前を覚えてもらう工夫
  • 経営者が地域行事や地元への奉仕活動に積極的に参加する

むしろ必要なのはソーシャルメディアへの最適化

上記のようにFacebookやtwitterなどのソーシャルメディアを使用しなくても、ソーシャル・マーケティングの手法は色々とあります。

場合によっては、ソーシャル・マーケティングのために従来のマスメディアを活用するという方法も効果的です。
リリースしたニュースをTVや新聞などのマスメディアに取り上げてもらい、一気に伝播したニュースがさらにソーシャル・メディアを駆け巡るという光景も珍しくはありません。

ですが、冒頭でも書いたようにソーシャルメディアは爆発的に普及したため、ソーシャル・マーケティングにおいて大きな効果を発揮することは間違いありません。

ソーシャル・マーケティングを実践すれば、あなた自身がソーシャルメディアに登録していなくても誰かが勝手にソーシャルメディアで話題にしてくれるでしょう。

その際に閲覧者が話題をソーシャルメディアへスムーズに流せるよう、「いいね!」ボタンや「ツイート」ボタンの設置といった、『ソーシャルメディア最適化( SMO)』こそが、むしろ必要となるのです。