集客投資の基本~1,000円売るために1,000円払っても損はしない~

ネットショップ広告の費用対効果はどうやって測る?

1,000円売るために1,000円払っても損はしない

例えば、あなたが楽天市場などのネットショップモールに出店していたとしましょう。

モール掲載料20万円の広告に出稿して、送料込1,000円の商品を購入した新規顧客が200人いた。
そのうち、平均客単価3,000円で年間平均購入回数10回くらいのリピーターになってくれた顧客は20人いた。

さて、この広告出稿は成功でしょうか、それとも失敗でしょうか。

単発で見ると失敗したように見える

単発の売上で考えると1,000円の商品を1個売るために1,000円を投資したことになります。

計算式は20万円 ÷ 200人 = 1,000円
送料込なので利益もほとんどありません。一見してこの広告出稿は失敗したように思えます。

「なんだ!高額な広告を購入したのに全然売れないな!やっぱりもう今さらネットショップを出店したって儲からない!!」
と、声を荒げた経験のある方もおられるのではないでしょうか。

集客投資の成否のカギは優良リピーターを獲得できたか

しかし集客投資として考えてみれば大失敗!とはなりません。
ポイントは、200人の購入者の中に平均3,000円で年に10回くらい買物をしてくれるリピーター顧客になる人が20人いたことです。

この20人のリピーター顧客だけで年間に3,000円 × 10回 × 20人 = 60万円/年 の売上をあなたのショップにもたらしてくれます。
年に10回というのは1ヶ月に1度買うか買わないかくらいの頻度ですので、決して非現実な数字ではありません。

1年で60万円売れるのですから、よほど粗利が悪くない限りは2年以内に20万円の元が取れるのです。
そして3年・4年と継続して利用していただくことで、 120万円・180万円・240万円の売上になっていくのです。

もし、あるリピーター客が4年間ずっと月3,000円で年10回の買物をしてくれたとしたら。
3,000円 ×  10回 × 4年 = 12万円です。

1,000円の投資で獲得した顧客が1年で3万6,000円、4年かけて12万円の売上をもたらしてくれるのですから、これは大成功と言えるのです。

この考え方を顧客生涯価値(LTV = LifeTime Value)といい、顧客管理においては基本となる部分です。

集客しないと優良リピーターには出会えない

広告や販促の効果をたった1回の売上で測定すると、ほとんど失敗。
なぜなら、よほど誰もが欲しがる商品でもない限り広告を出したからといって売れないからです。

そんな目先の利益を追う広告出稿をしていれば、儲からないように思えるでしょう。
というよりも、毎回毎回商品の販売促進のためにコストをかけ続けていくのは、現実的な手段ではありません。資本の少ない中小企業や個人商店の場合は特にです。

リピーターだけで売上の8割を占める例もあるほどで、ネットショップにおいて一番大切なことはリピーター顧客の獲得です。
リピーターになってくれるお客さまが増えていかないことには、いつまでたっても経営が楽になりません。

しかし、その優良なリピーター顧客でさえ、初めは1度きりになるかもしれないお試し客です。
お試し客に丁寧な接客や良い商品を提供することでリピーター顧客になってくれるのです。

つまり、集客投資をして見込み客・お試し客を集めていなければ、リピーター顧客になってくれるお客さまと巡り合う確率がグンと下がってしまうということなのです。

景気が悪くなると、どうしても宣伝広告費などを削減しがちです。
また、単価の低い商材を販売している場合には、広告を出しても元が取れるとは思えないでしょう。
しかし、まったく集客をしないままではいつまでたっても経営は苦しいままです。

もし、あなたが広告出稿などの集客を何もしていないのであれば、商品を販売するためではなくリピーター獲得のために集客してみてください。
そう考えれば単価の低い商材というのは決して弱みではありません。気軽にリピートしやすく、リピーターになってもらいやすいという強みがあります。
逆に高額な商品ほど単発で売らねばならず、リピーターの獲得は困難なのです。